今、女子シングルでは、ほぼすべてのロシア国内トーナメントにはスキャンダラスな内幕がつきまとう。エテリ・トゥトベリーゼ氏の教え子たちと、同氏が輩出し、現在は五輪2冠のエフゲニー・プルシェンコ氏のアカデミーを代表する選手たちが争うためである。この「ロシア杯」第2戦では、アレクサンドラ・トルソワ選手が優勝した。彼女は、トゥトベリーゼ氏の指導の下で過去に数々のタイトルを獲得してきたが、プルシェンコ氏のもとへ移籍後、初めて優勝した。
トルソワ選手は前日、4回転ジャンプに何度挑むのかというフリープログラムの競技内容については明らかにしていなかった。演技冒頭の4回転ルッツで彼女は堪えたものの氷に手をつき、ステップアウトしてしまった。4回転―3回転のトウループはジャンプも高く、質の高いものとなった。単独の4回転トウループを成功させた後、ルッツとループの連続ジャンプは2回目のジャンプで転倒。トルソワ選手はショートとの合計240.59点を獲得し、自信を持って復帰を果たした。
昨シーズンの世界ジュニア選手権の覇者で、ショートプログラム首位のカミラ・ワリエワ選手は、最初の4回転トウループで転倒。続く連続のダブル・トウループはミスなく決めたが、3回転ルッツや3連続ジャンプで転倒し、合計233.70点で2位となった。3位につけたのは安定し、自信を持って演技したダリア・ウサチョワ選手(昨季世界ジュニア選手権銀メダル)で、合計233.20点だった。
男子シングルでは、ロシア杯第1戦を制したアルチョム・コワリョフ選手が連覇。コワリョフ選手は、フリープログラムで2回の4回転サルコウを着氷。2019年ヨーロッパ選手権銀メダリスト、アレクサンドル・サマリン選手(253.10点)を上回り、合計255.82点で優勝した。3位は、昨季ジュニア世界選手権の銅メダリスト、ピョートル・グメンニク選手(249.46点)となった。