トルソワにとって、今シーズンはシニア2年目だが、エテリ・トゥトベリゼコーチに師事するワリエワはシニアデビューしたばかり。トゥトベリゼコーチの元を離れ、現在はエヴゲニー・プルシェンコに師事しているトルソワは、依然、難易度の高いジャンプを武器にしているが(「ロシアのロケット」の異名はまさにここからきている)、芸術性も大幅に高めてきている。トルソワは、スローテンポな音楽に合わせたショートプログラムがとても気に入っているという。このプログラムでは、春を象徴するようなターコイズブルーの衣装を選んでいる。
一方、ジュニア時代、審判はもちろん、多くのファンたちに、感動的な「玉乗りの少女」のイメージを残したカミラ・ワリエワは、シニアの大会では蛇に変身。
ワリエワは類いまれなる柔軟さと優雅な回転が持ち味であるが、今回の新しいイメージはインターネットで賛否両論を呼んでいる。とりわけ、うるさいファンたちは、「最悪」、「カエルみたい」などと辛口のコメントを寄せている。「スプートニク」は、ちょっと変わったイメージの衣装を手がけたデザイナーに話を聞いた。
デザイナーのオリガ・リャボワは「スプートニク」に対し、カミラのフリープログラムの衣装は、彼女が選んだ「蛇」のイメージにさらなる表現力を加え、ウルトラC級のエレメントやワリエワの体の動きを邪魔しないものになっていると説明する。
「カミラは“玉乗りの少女”とは違う何かでまた観客を驚かせなければなりません。ラベルの音楽に合わせて蛇のイメージを表現するというアイデアはエテリ・トゥトベリゼコーチが思いついたものです。プログラムでのカミラの手の動きは蛇の動きを連想させるものだということで、袖の部分に手首に向かって這っている蛇のイメージを描きました。手首の部分にちょうど目が来るようになっています」。
加えて、オリガ・リャボワは、今回はまだシーズン最初の舞台であり、衣装はまだ完成形ではなく、これからまだ手を加えていくと述べている。
トルソワはジュリエット、ワリエワは蛇に 女子フィギュアの今季のフリープログラム
© 写真 : Kristina Savitskaya