ソリハシシギは体長40センチ以下、体重も230から360グラムと小型だが、そんな小さな体で驚くほど長距離の渡りをやってのける。
新記録がでたのは2020年9月。グローバル・フライウェイ・ネットワークのエコロジストらがリングを装着したうちの1羽、オスの4BBRWだ。この鳥は太平洋を11日間かかって渡りきり、アラスカからニュージーランドまでの1万2850キロの飛行を達成した。この距離を大陸上で表すと、実にユーラシア大陸の西の端ポルトガルのリスボンから東の果てのロシアのウラジオストクまでに匹敵する。
これが大きな驚きを呼ぶのは距離の長さではない。トンボでも1万2000キロくらいは飛行する。だがソリハシシギがこれだけの距離を一度も止まって休むことなく、飲み食いなしで飛び続けたという事実だと科学者らは指摘している。
ソリハシシギは決まったコースをゆったりと飛ぶわけではなく、始終羽を活発に動かし、毎時、最高で体重の0.41%を失いながら飛び続ける。
関連記事