原料市場が暴落 新たな隔離制限措置への危惧感が引き金

コロナウイルス感染拡大によって、世界中で新たな隔離制限措置が発令される危惧感が高まったことから、28日水曜、原料価格は暴落を期した。投資家らは、これらの資本の取引状況に世界経済のこれからが係っており、大規模な投げ売りが予想されることから、かなりの危惧感を抱いている。
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原油、銀をはじめとする原料価格は2020年初頭、COVID-19の感染蔓延の抑制を目的に最初は中国で、追って欧米で採られた隔離措置から急落したものの、夏の間は国際経済でビジネスが再開、活性化したことを受け、一貫して回復方向に向かっていた。ところがこの傾向も息切れを見せ始め、今週の原料市場は群を抜く急落を見せた。

28日水曜、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX )でのWTI原油の先物価格は5.5%安の1バレル37ドル39セントと、ここ最近に記録した底値に立ち返り、10月2日以来の最低レベルで取引を終えた。WTI価格は2020年初頭、1バレル60ドル超で取引を開始していた。ブレント原油価格も5.0%安の1バレル39ドル12セントまで下落した。原油以外の商品価格も最もさかんに取引される銀も4.9%安、金も1.7%安、銅は1.0%安と軒並み暴落している。本来であれば金、銀は商品市場の大きな揺れ幅に価格が左右されにくい安定資本とみなされている。

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プラチナなど、他の金属もそろって下落。貴金属の中には工業で用いられるものがあるため、その価格にはメーカー側からの需要がこれから影響しそうだ。

原料市場の安売りは、欧州でのコロナウイルスが感染拡大し、新たな隔離措置の発令が懸念されることを背景に生じた。

28日に発表された公式データによれば、先週(10月19日~25日)の米国の石油備蓄は予想をはるかに上回る増大を示し、ガソリン需要は8月に記録したピークから著しく低い値を維持している。アナリストらはコロナウイルスをとりまく状況が悪化の一途とたどることで、冬季の観光産業は停滞状態に陥るだろうと危惧感を抱いている。

消費行動は通常、旅行先で活発化する。このため燃料需要がさらに落ち込んだ場合、これも世界経済の再生に影響を及ぼす可能性がある。

こうした一方で中国では原料需要は依然として大きい。これは、国の大半の地域でコロナウイルスの感染拡大の制御に成功したためで、中国経済に好影響を及ぼしている。こうした傾向がみられる一方でアナリストらは、燃料需要は世界経済にてこ入れし、原料価格を維持するためにも世界全体で増大させるべきだと警告し、こうした動きがここ最近、特に米国で見られないと指摘している。

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