ロシアの調停人を乗せた航空機20機がアルメニアに出発

10日、ロシアのウリヤノフスク市からアルメニアの首都エレバンに向け、ロシアの調停人らを乗せた航空機イリューシン76が出発、夜にはすでに20機が飛び立った。ロシア国防相が発表した。ナゴルノカラバフの紛争地域には約2000人の調停人と技術設備の到着が予定されている。
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ロシア軍の監視のもと、アルメニアとナゴルノカラバフを結ぶラチン回廊と、アルメニアとアゼルバイジャンの軍隊が境を接する地域での区域の移管が行われる。

これより前、トルコのチャヴシュオール外相は、トルコがナゴルノカラバフにおける停戦管理に参加すると発言。しかし、ロシアのペスコフ大統領報道官は、カラバフにおけるトルコ平和維持隊の駐留については誰とも合意されていない、その旨は3カ国(ロシア、アルメニア、アゼルバイジャン)大統領による共同声明にも言及されていないと述べた。

ロシアの調停人を乗せた航空機20機がアルメニアに出発

カラバフをめぐるロシア・アルメニア・アゼルバイジャン合意の内容

アゼルバイジャンのアリエフ大統領、アルメニアのパシニャン首相、ロシアのプーチン大統領は共同声明に署名。声明ではモスクワ時間2020年11月10日00時00分よりナゴルノカラバフ紛争地域における完全な停戦が宣言されている。

アルメニア野党 カラバフ停戦合意脱退を求める
アゼルバイジャンとアルメニアは現在の位置に留まっており、ナゴルノカラバフの連絡線沿い、またナゴルノカラバフとアルメニアを結ぶ回廊沿いにはロシア平和維持部隊が展開。国内の避難民・難民は国連難民高等弁務官の管理下に置かれたナゴルノカラバフ領および隣接地域に戻りつつある。捕虜やその他被拘束者、遺体の交換が行われている。同地域のすべての経済・輸送ラインは閉鎖されており、輸送管理にはロシア国境管理機関も一部協力している。

アルメニアのパシニャン首相は共同声明ついて、これは辛い決断だったが選択肢は他になかったと強調した。一方のアゼルバイジャンのアリエフ大統領は、合意文書の署名についてアルメニアの占領とコメントしている。

ナゴルノ・カラバフ紛争

紛争はナゴルノ・カラバフ自治州がアゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国からの離脱を宣言した1988年2月に始まった。1992年から1994年の武力衝突でアゼルバイジャンはナゴルノ・カラバフ及び隣接する7つの地域の支配権を失った。

アゼルバイジャンは領土保全を主張しているが、未承認国家ナゴルノ・カラバフは交渉当事者ではないためアルメニアがナゴルノ・カラバフの利益を擁護している。 19世紀から現在までナゴルノカラバフ住民の8割以上はアルメニア人。残り2割はアゼルバイジャン人、ロシア人、その他民族。

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