祁連山脈はチベット高原の北東から甘粛省と青海省に跨り、その全長は1000キロメートルを超える。標高6000メートル以上の雪山が連なり多くの氷河が発達していることから、北極と南極に次いで世界の「第三の極」として知られている。
しかし、地球温暖化の影響によってその氷河が危機に瀕している。祁連山脈で最大の氷河Laohugou No.12が、1950年代の測定開始以来、約450メートル後退していることがわかった。さらに、気温の上昇に伴い氷の厚さも失われている。
氷河の融解水が湖に流れ込み、壊滅的な洪水を引き起こす一方で、気候変動により降雪量や雨量が平年よりもずっと少ないこともある。最も水が必要になる灌漑期に水不足が発生し、下流では農家打撃を受けている。
中国科学院の専門家によれば、氷河の融解は10年以内にピークを迎えるという。その後、氷河の縮小により融解量は急激に減少するが、水の危機をもたらす可能性があると警告している。