今回の電話会談はトルコ側の要請に応じて実施された。会談の中で両首脳はロシア、アゼルバイジャン、アルメニアが締結した停戦協定に定められた合意を実現するプロセスについて協議を行ったほか、紛争地域におけるあらゆる戦闘行為の停止を監視する停戦管理センターの設置に向けた取り組みについても意見を交わした。
会談では、紛争地域における安定性と市民生活の定着に向けて合意されたすべての決定を一貫して余すところなく順守することも確認された。
また、難民の帰還やインフラの復興、宗教的・文化的施設の保存といった人道的問題も優先事項とすることで合意した。
なお、ロシアの平和維持部隊は現地で停戦体制の維持と民間人の安全保障管理に向けた活動を進めており、プーチン大統領はこの部隊の活動についてエルドアン大統領に情報提供を行った。
カラバフをめぐるロシア・アルメニア・ アゼルバイジャン合意の内容
アゼルバイジャンのアリエフ大統領、アルメニアのパシニャン首相、ロシアのプーチン大統領は共同声明に署名。声明ではモスクワ時間2020年11月10日00時00分よりナゴルノ・カラバフ紛争地域における完全な停戦が宣言されている。
アゼルバイジャンとアルメニアは現在の位置に留まっており、ナゴルノカラバフの連絡線沿い、またナゴルノカラバフとアルメニアを結ぶ回廊沿いにはロシア平和 維持部隊が展開。国内の避難民・難民は国連難民高等弁務官の管理下に置かれたナゴルノカラバフ領および隣接地域に戻りつつある。捕虜やその他被拘束者、遺体の交換が行われている。同地域のすべての経済・輸送ラインは閉鎖されており、輸送管理にはロシア国境管理機関も一部協力している。
アルメニアのパシニャン首相は共同声明ついて、これは辛い決断だったが選択肢は他になかったと強調した。一方、アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、合意文書の署名についてアルメニアの占領とコメントしている。