新型コロナウイルス

若年層で効果 英アストラゼネカ開発の新型コロナワクチンの有効性に懐疑的な見方

英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大が共同開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、臨床試験において投与量と年齢層で有効性のばらつきが生じている。このことからその有効性に対して懐疑的な見方が広がっている。
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同社のワクチンは、1回目にフル用量の半分、2回目にフル用量を接種した場合には、被験者(55歳以下)の有効性は90%。一方、2回ともフル用量の場合は62%に低下している。またこの場合には、55歳以上の被験者も含まれていた。

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これについて、トランプ米政権の「ワープ・スピード作戦」責任者のモンセフ・スラウイ氏は、このワクチンの被験者の対象は比較的若い年齢層であると明らかにしている。

オックスフォード大学の研究者は、有効性が一貫していない理由は分からないが、近いうちに調査する予定だと述べている。


開発されたワクチンの運命は?

アストラゼネカは、開発されたこのワクチンは発展途上国での保管に適していると発表している。このワクチンの1回分の価格は4ドル(約400円)で、通常の冷蔵庫で輸送と6ヶ月間の保管が可能であるという。

一方で、このワクチンの最大の欠点は、競合他社との有効性の差。アストラゼネカ開発のワクチンの有効性が平均して70%なのに対し、ロシアのガマレヤ研究所、ファイザー社のワクチンは95%の有効性を示している。

米国立アレルギー・感染症研究所の所長、アンソニー・ファウチ博士は、この有効性の差は大きいと指摘する。「もし有効性が70%ならば、ジレンマを抱えることになります。有効性95%のワクチンが2種類あるなかで、70%のワクチンにどう対処すればいいのでしょうか?」


チンパンジーのアデノウイルスを利用したワクチン

アストラゼネカとオックスフォード大が開発したワクチンのもう一つの大きな懸念点は、チンパンジーのアデノウイルスをベースとしている点。この問題は、ガマレヤ研究所の研究者らによってすでに提起されており、これまでにその有効性と安全性を実証した長期的な研究がなされていないと指摘されている。

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ロシアが開発したスプートニクVを含む他国のワクチンには、ヒトのアデノウイルスベクターが使用されている。この手法は新型コロナウイルスのパンデミック以前にも検証されており、有効性が証明されている。

市場調査やデータ分析を行う英国企業「YouGov」が実施した最新のアンケートによると、最も信頼できるワクチンメーカーはロシア(21%)、米国(15%)、中国(13%)であることが分かった。

また、回答者の73%が新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける準備ができていると答え、10人中9人がヒトアデノウイルスベクターに基づくワクチン接種を希望している。このアンケートにはインドネシア、マレーシア、メキシコ、ナイジェリア、サウジアラビア、フィリピン、アラブ首長国連邦、ベトナムを含む11カ国の人々が参加している。

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