回復後に思わぬアクシデント
ニューヨークタイムズ紙は、感染から回復した後、突然歯が抜けた数例をあげている。ニューヨーク在住のファラー・ヘミリさんもそうした1人。春にコロナに感染していたが、回復してからいきなり歯が抜けた。しかも抜けた時に痛みも出血もなかったという。
ヘミリさんの周囲には、やはり同じく感染から回復した後、歯に問題が生じた人達が数人いる。歯が抜けた、歯が灰色になった、割れた、歯茎が過敏になったと訴えている。
米ユタ大学の歯周病医デイヴィッド・オカノさんは、もとからあった歯や歯茎に問題はCOVID-19に罹患することでより悪化することがあると指摘している。
防御メカニズム?
COVID-19血管新生基金の会長で医療問題部を率いるウイリアム・リー氏は、「ようやく今、(感染で生じる)混乱に取り組み始めたところす。COVID-19から回復して何か月も経ってから症状がではじめ、は時に深刻な事態に至るものもあります」と語る。これには歯の問題の訴えも含まれているという。
リー氏は出血もなく歯が抜けることは通常ありえず、これが起きているということは歯茎を通る血管になんらかのプロセスが起きている証拠だと指摘している。
口腔整形外科医のマイケル・シラー氏は、口腔で起きているこうした過程はウイルスからの防御メカニズムの役目を果たしている可能性があると指摘している。ただしニューヨークタイムズ紙は歯や歯茎に問題が生じたという報告例は現段階ではそう多いわけではないと書いている。