産業崩壊:2020年のコロナウイルス感染拡大により衰退する業界

米国のウォルト・ディズニー社は、自社が運営するテーマパーク部門を中心におよそ3万2,000人と雇用契約を打ち切ると発表した。これは従来の発表より4,000人多い数字となっている。ディズニー社の発表によれば、解雇は2021年の前半に実施される予定だという。
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新型コロナウイルスの感染拡大によって、より深刻な影響を受けた業界では、どのような企業がどれほどの規模で従業員の解雇を行っているのか。スプートニクが調べた。

シルク・ドゥ・ソレイユ

カナダのサーカス劇団「シルク・ドゥ・ソレイユ・エンターテイメント・グループ」は、コロナウイルスの感染拡大で興行の大半が停止、経営破綻に追い込まれたことから、6月末、破産法に基づき、会社更生手続きに入った。劇団は4,000人余りの劇団員のうち3,480人を解雇したが、制限が解除されればその大部分を再雇用するとしている。米投資ファンドのTPGキャピタルやカナダの預金投資年金ファンドからの負債は10億ドル(およそ1,040億円)に膨れ上がった。

これを受け、負債者らは経営権を取得するのと引き換えに債務を引き受けることを提案。株主らもこれに合意した。シルク・ドゥ・ソレイユは存続することとなり、新たな経営者はすでに公演の再開に向け、3億7,500万ドル(およそ390億円)を調達すると発表している。

航空機製造:エアバスとボーイング

米ボーイングは10月末、2020年第3四半期の業績を発表し、純損益が4億6,600万ドル(およそ485億円、昨年は純利益13億ドル)だったことを明らかにした。ボーイングはまた、当初の計画よりも大規模な従業員の解雇を発表した。

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2021年の末までにボーイングに残る従業員の数は13万人となる予定で、コロナウイルス感染拡大が始まる前のほぼ20%、16万人以上が解雇されることになっている。当初、解雇の規模は10%とされていた。

一方、エアバスも新型コロナウイルスの影響による人員解雇を予定している。同社幹部によれば、1万5,000人が削減される。

最近、英国のADSグループは、2020年第3四半期全体の世界の航空機の発注に関するデータを発表したが、それによれば、商業輸送機の発注はわずか13機、しかも9月の発注数はゼロであった

旅行業界:ブッキング、トリップアドバイザー、エアービーエンドビー

宿泊予約サイト、ブッキング・ドットコムを所有するブッキング・ホールディングスは8月に25%の人員解雇を発表した(1万7,500人のうち約4,000人)。ブッキング・ホールディングスのCEO、グレン・フォーゲル氏は新型コロナウイルスによるこうした状況を、創設以来最大の危機だとしている。

トリップアドバイザー、エアービーアンドビーも2020年5月から6月にかけて、それぞれ25%の従業員を解雇した。

航空会社

航空会社も深刻な危機に見舞われている。多くの航空会社が人員削減や従業員の給与減額を決めている。

米国の主要な航空会社であるアメリカン航空とユナイテッド航空は、米議会の資金援助継続に関する決定を待たずに、人員解雇に踏み切る。またアメリカン航空は1万9,000人、ユナイテッド航空は1万3,400人の従業員との契約を打ち切る。もう一つの大手航空会社デルタ航空は、パイロットたちに無給休暇を与えずに済むよう、給与を引き下げることで合意に達している。

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ドイツの最大手航空会社ルフトハンザは1,000人を超えるパイロットの解雇を検討している。ロイター通信が伝えるところによれば、ルフトハンザは2020年に最大2万6,000人の解雇を計画しているとのこと。

一方、日本航空では、2020年度の純損失が2,400億円から2,700億円となると見られる。報道によれば、3,500人の従業員が削減され、2021年度の雇用は見送られる可能性がある。


ある産業の崩壊が別の産業の発展を促すものとなることは少なくない。実際、デリバリーサービス、輸送、電子商取引といった分野はこれまでにないほど、需要が高まっている。またこれまでは実際に人がいなければできなかったことを遠隔で行えるようにする技術―たとえばオンライン署名、ビデオ会議、ネットバンキングなどの発展にも大きな刺激が与えられている。おそらく、ワクチンが開発され認可されれば、これらの分野の発展には否定的な影響が与えられることになるだろう。しかし、短期的な展望で見れば、こうした部門は今かなり伸びている。

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