「アフガン文書」の内容は?
この文書によると、2009年から2013年までの間、アフガニスタンで司令官が新兵に対し「血の洗礼を受ける」ためにアフガニスタン人を殺害するように命じていたという。犠牲になったのは、アフガニスタンでの捕虜、農民、民間人だった。
報告書に対する反応
この文書は大きな反響を呼び、豪軍特殊部隊で「浄化」が行われるようになった。この文書の発表後、3週間で豪軍から少なくとも9件の自殺事例が出たことをマスコミは報じている。
これほど短期間に豪軍の男性8人と女性1人が自殺したケースは、同軍史上前例がない。また、自殺した兵士がアフガニスタンでの犯罪に関与しているという正確な証拠はまだ見つかっていない。しかし専門家らは、今回の自殺がアフガン文書の調査によって引き起こされた可能性を否定していない。
ロシア外務省の反応
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官はブリーフィングで、オーストラリア国防軍兵士によるアフガニスタンでの戦争犯罪は、豪国防軍のキャンベル司令官が述べる「ルールに基づく国際秩序(欧米が推進する世界秩序の概念)」へのコミットメントについて再検討を迫っていると指摘した。
またこの件について同報道官は、「(しかし)それは一体どんなルールなのか?」と述べている。
中国によるスキャンダル
米ABCによると、オーストラリアは、中国外交部(外務省)の報道官がツイッターに投稿したフェイク写真について中国に謝罪を求めている。
豪国防軍によるアフガニスタンでの戦争犯罪が報じられるなか、中国外交部はオーストラリア兵が子どもの喉に刃を突きつけている合成写真をツイッターに投稿。また、その写真には「怖がらないで。私たちは平和をもたらすために来たのだ」との文章が添えられている。
オーストラリアのスコット・モリソン首相はこの件に関し、中国側に謝罪を要求している。またモリソン首相は、これはフェイク写真であると述べ、同ツイートの削除を求めている。
アフガニスタン駐留のオーストラリア国防軍
オーストラリアは、2001年にアフガニスタンに軍を派遣し、2013年に最後の戦闘部隊を撤退させている。当時、合計2万5000人のオーストラリア国防軍が軍事作戦に参加した。この作戦により、同軍の兵士40人が死亡、261人が重症を負った。アフガニスタンでの作戦は、オーストラリア史上最長の海外軍事作戦となった。