ガブリエリャン部長はアルメニアのArmtimes.comからの取材に、「紛争前、アルツァフ(ナゴルノ・カラバフ共和国のアルメニア側の名称)には36の水力発電所が稼働していた。領土の一部が失われた結果、残されたのは6か所で、そのうちの1つ、サルサングスカヤ水力発電は50メガワット。その他5か所はそれぞれ25メガワットの発電能力があるが、現在川の水位が下がっているため、総発電量は5.5メガワットとなっている」と答えている。
ガブリエリャン部長によれば、先日の紛争の開始までは水力発電はナゴルノ・カラバフ共和国の電力消費を十分に賄っており、一部はアルメニアに送電していた。
ガブリエリャン部長は、「現在、電力供給は共和国内の需要には不十分だ。アルメニアからの送電復旧作業は最終段階にあり、これが終了した後、水力発電の負荷も下がって、電力需要全体を網羅することができるだろう」と指摘している。
ナゴルノ・カラバフ紛争
紛争はナゴルノ・カラバフ自治州がアゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国からの離脱を宣言した1988年2月に始まった。1992年から1994年の武力衝突でアゼルバイジャンはナゴルノ・カラバフ及び隣接する7つの地域の支配権を失った。
アゼルバイジャンは領土保全を主張しているが、未承認国家ナゴルノ・カラバフは交渉当事者ではないためアルメニアがナゴルノ・カラバフの利益を擁護している。 19世紀から現在までナゴルノカラバフ住民の8割以上はアルメニア人。残り2割はアゼルバイジャン人、ロシア人、その他民族。