日露合作「ソローキンの見た桜」コロナ禍乗り越え、モスクワで劇場公開記念イベント開催

10日、モスクワの伝統ある映画館「オクチャーブリ」で、日露合作映画「ソローキンの見た桜」(井上雅貴監督、2019年)のロシアにおける劇場公開を記念したプレミア上映会が開かれた。この映画は、日露戦争時における愛媛県松山の捕虜収容所を舞台にした、ロシア人少尉と日本人女性との愛の物語で、日本では昨年に劇場公開されている。関係者は「長い道のりだったが、ロシア公開が実現して本当に良かった。この日を待ち望んでいた」と話した。
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コロナ禍の影響で、日本からは監督も俳優もモスクワに来ることができず、上映前にビデオメッセージが流された。モスクワ市の劇場や映画館では現在、全座席数の25パーセントしか観客を入れることができない。この人数制限の関係で、プレミア上映に集まったのは、事前に招待された人のみ。イベントは、ソーシャル・ディスタンスを保って行われた。

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会場では配給会社の社長や上月豊久・駐ロシア大使大使が挨拶に立った。上月大使は、「ソローキンの見た桜」が、ロシア最大級の日本文化フェスティバル「J-Fest」で11月21日に先行オンライン上映され、1度きりの上映にもかかわらず3000人以上が視聴したことを紹介した。

日本は日露戦争が始まる4年前、捕虜の扱いについて取り決めた「ハーグ陸戦条約」を批准しており、これを遵守し、ロシア人捕虜に対してとても人道的に接していた。しかしこの史実は、ロシアが負けた戦争であるせいか、ロシアではほとんど知られていない。

上月大使は「この映画のテーマは、戦時中のロシア人捕虜と日本人との関係です。この映画が、日露戦争という困難な時期における、我々の国のほとんど知られていない歴史の1ページを知り、理解を深める助けになれば」とスピーチで述べた。

特別ゲストとして、劇中でヒロインと恋に落ちる少尉・ソローキンを演じたロデオン・ガリュチェンコさんも会場を訪れた。ガリュチェンコさんは「松山でのロケはとても温かい雰囲気の中で行われました。愛には国境がなく、愛は人々をつなぐもの。この映画をぜひ家族で見てほしい」と話した。

映画を鑑賞した会社員の女性は「美しい映画でした。日本の美、習慣、人々のメンタリティを知ることができたのは面白かったです。実際の戦争をもとにした話ですが、残虐なシーンがなく、優しさがモチーフになっていたのが良かった」と話し、日本に少し住んでいたことがあるという男性は「日本人が、実際どのようにロシア人捕虜に対して接していたのかをうまく描いていると思います。正直で、自分たちの基礎となるものに対して誠実であろうとする日本人の国民性が感じ取れました」と感想を述べてくれた。

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この日はロシアメディアの記者も多く来場していた。ニュースサイト記者の男性は「最後に2人がどうなるかすぐわかったので、序盤はストーリー展開がゆっくりすぎてじれったくなりましたが、戦争の人道的な面に焦点をあてた優しくて良い気持ちのする映画でした」と話し、新聞記者の男性は「最初はラブロマンスの要素が強すぎて僕好みではないと思いましたが、ラストはすがすがしくて、気に入りました」と、感想を述べた。フリーカメラマンの男性は「ストーリーとアレクサンドル・ドモガロフ(ロシアのベテラン俳優、大佐役で出演)の抑えた演技が良かった」と話してくれた。

「ソローキンの見た桜」はロシア全土、30か所以上の映画館で公開される。

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