イランのメフル通信社によると、現地時間で12日の午前中にザム氏は絞首刑に処されたという。
これを受けてEUのナビラ・マスラリ報道官(外交問題担当)は12日に声明を発表し、イラン政府の対応を厳しく批判した。
欧州連合はこの行為を最も厳しい形で批判し、いかなる状況下であれ死刑制度の利用を認めないことを再度通達する。欧州の見解では、死刑制度は残酷で非人道的な処罰であり、犯罪の抑止に有効な要素となることはなく、人間の尊厳と不可侵性を損なうものであると考えている。
また、マスラリ報道官はイラン政府に対し、今後は死刑執行を行わないよう訴えたほか、死刑制度の廃止に向けて一貫した取り組みを進めるよう要請した。
イラン政府は今週、ザム氏の死刑執行を承認した。ザム氏は2019年10月中旬、イラン軍の関連組織とされる「イスラム革命防衛隊」によって拘束されていた。イランのIRNA通信によると、ザム氏は2017年12月から翌1月にかけてイラン全土で巻き起こった反政府デモを取材していた。
報道によると、ザム氏はフランスの諜報機関から受けた指令を実行していたという。また、ザム氏は米国やイスラエルの諜報機関からも支援を受けていた模様。
ザム氏は「反革命活動」を理由に拘束され、2020年6月に死刑判決を言い渡されていた。AP通信の情報によると、ザム氏はパリで亡命生活を送っており、どのような形で拘束されたかは明らかになっていない。
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