ナワリヌイ氏は、ロシアで「やること」があると述べている。しかし帰国のタイミングは医師の判断にかかっているという。
ナワリヌイ氏は、「その質問は私にするものはなく、医師への質問になる(中略)私には分からないのでその時期について論じても意味がない。私は定期的にいくつかの検査を受けていて、人々は皆が予想していたよりもはるかに速いペースで回復しているのを確認している。体調が完全に回復したら、私は帰国する。一刻も早く戻れるよう全力を尽くしている」と語っている。
ナワリヌイ氏の中毒
ナワリヌイ氏は8月20日、トムスク(ロシア・シベリア西部)から飛行機での移動中に体調を崩し、同国中南部オムスク市の病院に入院した。検査の結果、その病院の医師は血糖値が急激に変化する代謝性疾患と診断した。そうなった原因は不明だが、ナワリヌイ氏の血液と尿からは毒物は検出されなかったという。
ナワリヌイ氏はその後、ドイツの病院に移送された。ドイツ政府は軍医の報告を引用し、ナワリヌイ氏には化学戦で用いる「ノビチョク」と同じグループの毒物が使用されたと発表した。ドイツ政府はその後、ドイツの専門家が出した結論をスウェーデンとフランスの研究所が確認し、化学兵器禁止機関がドイツ政府の要請を受けて独自の調査を行っていると明らかにした。
クレムリンは、ドイツ政府がロシア政府に調査結果を伝えてないと発表し、ロシア外務省は、ロシアはこの状況について公式要請に対するドイツからの回答を待っていると強調した。
ベルリンのシャリテ病院は9月23日、ナワリヌイ氏が退院したと発表した。同氏の体調は良好で、治療にあたっている医師は完全に回復している可能性もありうると発表している。