Bluetooth対応の墓石で故人の写真まで浮かび上がる 日本の共同墓はここまで行った

テクノロジーとその利用コンセプトの奇抜さで世界の度肝を抜く日本が、Bluetooth対応の墓石を作った。墓石に近づくと家名や故人の写真が戒名付きで自動切換えの電子画面に現れる。このシステム「お守りdeお墓参り」、千葉県八千代市の霊園で2020年12月10日から販売が開始された。
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参拝にはお守り型の小型のBLEビーコンデバイスが渡される。これを持って墓石に近づくと位置情報の検知システムが働き、墓石の銘板に参拝者専用の家名や戒名、没年月日等が自動で電子表示されるという仕組み。このシステムは「お守りdeお墓参り」という商標で特許出願中だという。

​「お守りdeお墓参り」を使った「電子銘板墓所―光―」は設置場所は「八千代悠久の郷霊園」。利用希望者はここで納骨後、13年、つまり十三回忌の翌年までお墓を利用する「権利」を購入する。13年お参りを続けた後は、お骨は「八千代悠久の郷霊園」内にある合祀墓に祀られる。つまり永代供養のサービスを購入することに等しい。違うのはいきなり合同の墓所に入るのではなく、13年間は自分の家のお墓参りをする気持ちを味わうことができること。十三回忌とは先人の知恵だろうか、故人を想う側にも一定の諦念が生まれる時期だ。故人の墓に13年手を合わせた後は気持ちの整理もつき、合祀墓に移すにも躊躇は消えるのかもしれない。国土面積の小ささ、人口の多さから日本では墓地建設がイコール自然破壊になりかねず、多額を投じて念願の墓地を購入しても、少子化で数代後には守る人がいない無縁仏になる恐れがどの家庭にも普通に存在している。そうした心配の隙間に見事に答えるビジネスといえるだろう。

「電子銘板墓所―光―」は35壺が1体あたり29万円で販売されている。納骨後の13年の保管期限の保管費も販売価格に含まれている。開発者は株式会社ニチリョク。1980年に墓石の販売、施工事業を開始して以来、新しい形の墓を提供し続けている。

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