トランプ大統領は、不正なものだと主張していた選挙の投票結果を覆すことはできなかったが、米国の政治界における争いを生み出すことには成功したと記事の筆者は書いている。またそれによれば、数千人のトランプ大統領の支持者が今なお、バイデン氏の大統領選での勝利は不正なものだと考えており、そうした考えが選挙の投票システムへの信頼を失墜させ、次期大統領が効果的に国を治めるのを妨害する可能性がある。
一方、ワシントン・ポスト紙は、パブリック・オピニオン・ストラテジー社が大統領選の後に行なった世論調査の結果を記事の中で引用している。それによれば、81%の共和党支持者と77%の民主党支持者が、4年前に比べて、対立する党の代表議員らに対する敬意が薄れたと答えている。こうした結果から、筆者は、トランプ政権によって、共和党と民主党、黒人と白人、学歴の高い人と低い人、信仰を持つ人と持たない人の間の価値観の違いがより広がり、大統領選挙はこの分断を埋めることができなかったと結論づけている。
また筆者は、トランプ大統領の支持者らの主張は、長い間、白人のキリスト教徒が独占してきた米国の文化を守るという考えが原点となっているのではないかと指摘し、彼らは米国の歴史を書き換え、国の遺産を破壊しようとする民主党の試みに反対しているとしている。
そして今、このような社会の分断によって国が麻痺するのを回避するための全責任がバイデン氏にかかっている。記事の筆者は、「次期大統領にはもっとも深刻な問題のいくつかを解決するための確固とした政策があるが、バイデン氏のより大きな目標は、国の分断をなくし、崩壊した国の政治を立て直すということである。これほどまでに分裂し、対立党に対して敵対心を持つようになった米国においては、ほんのわずかな前進も意義ある成果と見なされるだろう」との見解を示している。