オハイオ大学の発表によれば、英国型に類似している変異種もおそらく発生したのは米国内で、別の変異種はSARS-Cov-2ウイルスには今まで見られたことのない3つの遺伝的変異を遂げている。
研究データから、2つ目の変異種の中にみられる突然変異はウイルスの感染性を高めている疑いがもたれており、これが人から人への感染速度を速めていると考えられている。
研究者らは、ワクチンの有効性にこの変異種が影響しうる根拠は今の段階ではないと強調している。
今まで発見されている他のコロナ変異種
2020年12月末、世界数か国で感染患者から数種の変異種が一度に検出された。
12月中旬、英国で新たな変異種SARS-CoV-2が検出された。英国政府は、この変異種の感染性は極めて高いとして、国民に厳格な注意を呼び掛けた。
12月19日、南アフリカ共和国が新たな変異種が検出されたと発表。同国のズヴェリ・ミフゼ保健相は変異種は過去2か月間に複数の患者から検出されており、英国型に類似して極めて感染性が高いと語っている。
英国と南アに続いて、デンマーク、ブラジルでまた別の変異種が見つかった。ブラジルは自国で検出された変異種の感染性はそれまで他国で見つかっているものをはるかに上回ることを明らかにしている。
12月25日、今度はアフリカ大陸のナイジェリアでも変異種が見つかった。ただし同国政府は、現段階で感染性や重症化の危険性について断定するには変異種による感染者数はあまりに少ないと発表している。
なお世界保健機関(WHO)は、英国型の変異種はすでに世界50か国と地域に、また南ア型のは20か国と地域に広がっていると発表している。また、WHOは、国際社会は2021年、英国、南アで検出された新型コロナウイルスの新たな変異種の調査に注視し、これに関する学術研究をシェアしていかねばならないとの考えを示した。