「死亡率40%から最大75%」:研究者が新たなパンデミックの脅威を報告

コロナウイルスに関する状況で改善を得られない中、世界は新たなパンデミックの瀬戸際に立たされるおそれがある。この場合、非営利団体「Access to Medicine Foundation」の研究者らが警告するのはニパウイルスだ。
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オランダを拠点とする英国とオランダ当局や他の機関が融資を行う医療や非営利団体へのアクセスファンドのエグゼクティブディレクター、ジュアスリ・K・アイエル氏は、次のパンデミックの潜在的なリスクとして、死亡率が最大75%とされるニパウイルスの中国での感染爆発を注視している。

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同氏は、「ニパウイルスはその拡大が大きな懸念とされるもう1つの感染症のこと」と語った。「ニパウイルスはいつ感染爆発を起こしてもおかしくない。次のパンデミックは薬に耐久性をもった感染症であるおそれがある」。

ウイルスの媒介者となるオオコウモリは、すでにマレーシアやインド、シンガポール、バングラデシュで感染爆発を引き起こしている。世界で新たな惨事を引き起こさないため、医師らはこの媒介者との接触を避け、食料品を加工すると同時に、表面の衛生を正しく行うよう呼びかけている。


前世紀からの殺人ウイルス

この危険なウイルスがはじめて感染爆発を起こしたのは1999年だった。この時はニパ川の渓谷に暮らす養豚業者で感染が確認された。その後、研究者らは、発病した豚との接触により人間に病気が感染することを明らかにした。豚はナツメヤシの実を食べたことで感染しており、この果実には自然界の媒介者であるオオコウモリの尿が付着していた可能性がある。この場合、オオコウモリ自体は同ウイルスに感染せず、ただ他の生き物への媒介を行うだけとなる。2004年にこの病気は、パームジュースを飲んだバングラデシュの人々を襲ったが、このジュースにはオオコウモリの分泌物が含まれていた。


「すべてが肺炎誘発の機会に」

感染症発生の瞬間から世界ではすでにこの危険なウイルスの拡大が12ヶ所で確認され、個別のケースは毎年南アジアで記録されてる。最後に大規模な感染が発生したのは2008年のバングラデシュで、その際は感染による死亡率は約38%だった。

専門家らによれば、さまざまなケースでニパウイルスの死亡率は40%から最大75%に達するおそれがあり、同時にウイルス自体が急速に感染拡大し、あらゆる機会が新たな感染を誘発し、その後、世界中に広まり、パンデミックに発展する可能性があるという。

このウイルスの潜伏期間は4日から最大45日とされる。ニパウイルスでは、コロナウイルスと同様に無症状から死に至る脳炎など、さまざまな症状が現れる。初期症状は風邪に似ており、人々には発熱や頭痛、筋肉痛、嘔吐、喉の痛みなどが生じる。その後、めまいや眠気、変性意識状態などが加わり、また、一連の症例では、医師らは新型肺炎や急性呼吸不全を確認している。特に重症のケースでは脳炎や痙攣に発展し、2~3日の内に昏睡状態に陥ってしまう。

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