トランプ陣営を離脱した弁護士らに代わり、新たに弁護人を務めることとなったデビッド・ショーン氏とブルース・L・キャスター氏は、弾劾について憲法が定める規定は現職の大統領を対象としたものであるため、トランプ氏に弾劾は適用できないとの見方を示している。
憲法の規定では、弾劾するには現職の大統領である必要がある。第45代大統領はすでに現職ではないため、「弾劾により職務を解く」という規定を上院が適用することはできない。
さらに、弁護側はトランプ氏が職務を全うするため全力を費やしてきたとし、宣誓に背いて憲法順守の義務を破ったという批判も退けている。選挙結果が操作されたとトランプ氏が主張している点を民主党は批判しているが、この点については憲法で保障される言論の自由に含まれるとして、弁護側は擁護している。
今回の上院における弾劾手続きは、トランプ氏の大統領退任後に行われるもの。弾劾手続きでトランプ氏が有罪となった場合、上院は、トランプ氏が連邦選挙に立候補することを禁じるかどうかについて別途、投票を行うことにしている。一方、退任後の弾劾手続きの可否をめぐっては、米憲法でも条項が明記されておらず、専門家の間でも意見が分かれている。
米下院は13日、ドナルド・トランプ大統領(当時)の支持者による襲撃で「反乱を扇動」したとして、弾劾措置決議案は賛成232、反対197の賛成多数で可決された。下院は25日に弾劾訴追決議を上院に送付。退任した大統領として初となるトランプ氏の弾劾裁判は2月8日の週に始まる。
退陣後、トランプ氏はホワイトハウスからフロリダ州の別荘へ向かった。それ以降は公の場に姿を現していない。