たとえば、1月30日にマフィア2人が救急車を止め、「殺すぞ」と運転手を脅迫した。1人が、「お前ら、ここじゃサイレンを鳴らしちゃいけないことを知らないのか? 音を切るか、俺たちがお前を殺すかだ」と運転手を恫喝した。ナポリの他の地域では、バイク集団が救急車を取り囲み、窓ガラスを叩きはじめた。
その理由は、サイレンと点灯を警察と間違え、麻薬の売人と顧客が退散するためだという。サイレンが聞こえると、彼らは取引を中止し、逃げなくてはならない。マフィアの恫喝により、救急車は彼らの支配地域を外れた時だけしかサイレンなどを利用できなくなっている。そのことが患者のところへ急ぐことに支障を来たしている。
救急車の運転手は警察に保護を要請している。
ナポリではこの3年足らずで約300回も医療従事者がこうした被害にあっている。