軌道上の宇宙ゴミ その「大掃除」をどこから始めるのかを研究者が決定

軌道上のスペースデブリ(宇宙ゴミ)の中でも最も危険な物体に関するリストが、国際研究チームによって発表された。この研究チームには、コロリョフ国立研究大学(サマラ大学)のウラジーミル・アスラノフ教授が参加している。研究者らは、「デブリ」の排除は、今後数年間のうちに実行可能な宇宙探査における優先課題であると考えている。
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この研究結果は、学術誌「Acta Astronautica」に掲載されている。

任務を終えて宇宙空間に漂う宇宙船の部品は現在、大気中で燃え尽きるか、安全な軌道に運ばれるのかのどちらかだ。しかし研究者らによると、利用可能な軌道上には、以前打ち上げられた約2万5000個の大型の物体と毎秒15キロの速度で移動する数百万もの小さな粒子がまだあるという。これらの物体が互いに衝突したり、活動中の衛星と衝突したりすることで、問題は雪だるま式に増えていく。

アスラノフ氏は、「我々は、『デブリ』の危険性を評価するために11に及ぶ様々な手法を組み合わせて、主要な要因4つ(質量、遭遇頻度、軌道の寿命、運用されている衛星への接近度)を分類した。そして世界は今、優先的に排除されるべき50の物体に関するリストを持っている」と説明している。

研究チームは、最も危険な50個の物体のうち37個が2トンを超える質量をもっており、そういったデブリの約80%が低軌道上にあるロケットの本体であることを明らかにした。研究者らによると、衝突のリスクを排除するために、例えば、宇宙タグボートを使ってこれらの物体の大部分を安全な軌道に移動させる必要があるという。

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