アルメニア議会周辺の抗議行動が無期限化=野党党首【動画】

アルメニアの野党党首が、ニコル・パシニャン首相の退陣をもとめる同国議会周辺での抗議行動の無期限化を発表した。一方で同首相は支持者による行動の中止を表明した。
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25日、アルメニア軍参謀本部はパシニャン首相の退陣を要求し、国民に対し武力を使用しないよう警告した。同首相はこの事態をクーデターの試みだと指摘し、参謀本部のオニーク・ガスパリアン総長を解任、政府への結集を支持者に呼びかけた。

パシニャン首相は、臨時の議会選挙の実施を拒否し、これまでの当局には軍に傀儡が存在したが、彼らは去らなければならないと表明した。同首相は反対者に対し、もし警察の指示を守らないなら拘束すると脅した。一方で同首相は自身の支持者のデモを指導した。反対派と支持者らの行動が行なわれた首都エレバンの中心部の上空には戦闘機が姿を現した。抗議を行なう反対派は議会周辺でテントなどの設営を始めた。

約1時間後にパシニャン首相は、自身の支持者らの行動の中止を発表し、協議の実施をアルメニアの政治勢力に呼びかけた。また、野党の「祖国」党首のアルトゥール・ヴァネシアン氏は、抗議行動の無期限化を表明した。

欧州連合(EU)と米国は、アルメニアの状況についてコメントし、両陣営が抑制的となるように呼びかけた。

対立のきっかけ

対立のきっかけは、2020年のナゴルノ・カラバフ紛争時にアルメニアがロシアから購入した作戦戦術複合体「イスカンデル」を使用したことをめぐる論争にある。


セルジ・サルグシャン(サルキシャン)前大統領は今週初め、アルメニア軍は戦闘開始日にイスカンデルを使用すべきだったと述べた。それに対しパシニャン首相はこの兵器に効果はないと反論した上で、サルグシャン氏に「発射されたミサイル『イスカンデル』が爆発しなかったり、10%しか爆発しなかった」のはなぜなのかと尋ねた。

第一参謀副総長は、このパシニャン首相の発言をいい加減なものであるとし、嘲笑した。その後第一参謀副総長は解任され、同首相は25日朝、軍を改革するとの意向を表明した。

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