米国務省、アルメニアに暴力行為と軍による政治干渉の回避を呼びかけ

米国務省は、アルメニアで発生した衝突の当事者に対し暴力行為の拡大を避けるよう呼び掛けたほか、軍には政治に干渉しないようけん制した。
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米国務省のネッド・プライス報道官は、ブリーフィングで次のように述べた。

我々は近頃のアルメニアでの出来事を認識しており、状況を注視している。我々はすべての当事者に自制し、激化や暴力行為を避けるよう求める。当事者には、軍が政治に干渉してはならないという基本的な民主主義の原則を思い出してほしい。

また、プライス氏は「我々はアルメニアの法制度、民主主義、そして社会制度を尊重し、平和的に対立を解決するよう指導者たちに呼びかける」と語った。

プライス氏によると、米国務省はアルメニアでクーデターが企てられたかどうかについては結論に至らなかった。


対立のきっかけは、2020年のナゴルノ・カラバフ紛争時にアルメニアがロシアから購入した作戦戦術複合体「イスカンデル」を使用したことをめぐる論争にある。


セルジ・サルグシャン(サルキシャン)前大統領は今週初め、アルメニア軍は戦闘開始日にイスカンデルを使用すべきだったと述べた。それに対しパシニャン首相はこの兵器に効果はないと反論した上で、サルグシャン氏に「発射されたミサイル『イスカンデル』が爆発しなかったり、10%しか爆発しなかった」のはなぜなのかと尋ねた。

アルメニア首相 参謀総長を解任 軍が首相の辞任を要求後に

第一参謀副総長は、このパシニャン首相の発言をいい加減なものであるとし、嘲笑した。その後第一参謀副総長は解任され、同首相は25日朝、軍を改革するとの意向を表明した。

これに対し、アルメニア軍参謀本部はパシニャン首相の退陣を要求した。同首相はこの事態をクーデターの試みだと指摘し、自身の支持者のデモを指導した。抗議を行う反対派は議会周辺でテントなどの設営を始めた。

野党党首は、パシニャン首相の退陣をもとめる国議会周辺での抗議行動の無期限化を発表した。

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