「一生アニメ業界で働きたい」 貧困の中で離職する日本のアニメーター=米メディア

世界中の多くの人々が日本のアニメに夢中になっている。しかし、その日本のアニメを制作するアニメーターの労働環境はかなり過酷なものであることが知られている。米ニューヨーク・タイムズが報じた。
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日本のアニメーターの平均年収は240万円ほど。トップアニメーターの阿久津徹也さんは、ほぼ毎日仕事しているにもかかわらず、月に1400〜3800ドル(約15〜40万円)の収入しか得ていない。阿久津さんは、一生アニメ業界で働きたいが、結婚して子どもを持つのは不可能だと分かっていると同紙に語っている。

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阿久津さんの給料は、平均年収が6万5000ドル(694万)以上、より高度な仕事内容であればおよそ7万5000ドル(約800万円)が支払われる米国のアニメーターの状況とは全く異なる。

同紙によると、日本のアニメ業界がアニメーションスタジオに利益が流れるのを制限していることがこの問題の要因の一つにあるという。

元アニメーターの開本亮祐さんは、第一子が生まれたのを機にアニメ業界を去った。この業界で働くことは、開本さんにとって生涯の夢だったが、何年経っても1日の稼ぎは38ドル(約4050円)未満だった。

開本さんは、同僚の多くが好きなアニメに携われることに価値を感じていたと同紙に語っている。どんなに給料が安くても仕事をしたいと思っていたが、この業界を去ると決めたことに全く後悔していないという。開本さんは今、介護施設で働いている。

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