心理学者や政治学者たちは、共通の外敵に直面した場合、家族から一つの国に至るあらゆる人間の集団は、個人的な問題は後回しにしてグループ内のつながりを強化する特質を備えていることをずいぶん前に明らかにした。人間の場合は、そこから「すべての不幸」が発生するある種の外部の「悪」を示しさえすれば、未だかつて見たことのない結束と、あらゆる困難に耐える力を発揮するという。
日本の研究者らは、飼育下にあるチンパンジーを用いた実験を行い、29頭のチンパンジーを5つのグループに分け、馴染みのないチンパンジーの鳴き声と(異なる条件として)カラスの鳴き声を聞かせ、その後、エサを求めて少しの争いが生じるような形でチンパンジーにエサを与えた。
研究者たちは、馴染みのないチンパンジーの鳴き声とカラスの鳴き声を聞く前と後にチンパンジーたちの相互関係がどのように変化したかを分析した。
チンパンジーたちは、カラスの鳴き声には反応を示さなかった。一方、馴染みのないチンパンジーの鳴き声は「外敵のイメージ」として認識され、チンパンジーたちのストレスレベルが上昇した。
なお、研究者たちは、チンパンジーのストレスは、エサを巡ったちょっとした争いが生じる条件下でさえ、種族間の衝突を引き起こすことはなかったと指摘した。反対にチンパンジーたちは、馴染みのないチンパンジーの鳴き声で驚かされる前の「平穏」な時よりもはるかに多くのコミュニケーションを取ったという。
先に「スプートニク」は、チンパンジーは人間と同じように音楽が好きで、作曲もすると伝えた。
関連記事