東京電力にとって初の原発である福島第一原子力発電所は1971年3月、第1号機の運転を開始した。
当時、原子力は新時代のエネルギー源として注目されていたことから、福島県は発電所の誘致を表明。こうして大熊町と双葉町に第一原発が、富岡町と楢葉町に第二原発が建設されることになった。
両原発で発電された電力は、ほぼ全てが首都圏へと供給されてきた。
しかし2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震によって引き起こされた津波により、第一原発で炉心溶融(メルトダウン)や水素爆発など、放射性物質の放出を伴う重大事故が発生。これにより、原発から半径20キロ圏内の住民は長期にわたる避難生活を余儀なくされたほか、大量の放射性物質が大気中や海中に放出されたことで、漁業・農業従事者らは風評被害などに苦しめられることになった。
2012年4月、1、2、3、4号機は電気事業法上に基づき廃止。被害が少なかった5、6号機も2013年12月、再稼働することなく廃止が決定された。
2021年現在、原発では廃炉に向けた作業が進められている。