ロシア系米国人作家のナボコフ スーパーマンに捧げられた未発表の詩が英誌に掲載

ロシア系米国人作家ウラジーミル・ナボコフの未発表の詩が、英タイムズ文芸付録に掲載された。日本のコスプレやアニメの世界で「ロリータ」という概念が浸透しているのは、ナボコフの小説『ロリータ』とその映画版のおかげである。しかし、この詩で最も興味深いのは、なんとスーパーマンに捧げられている点だ。
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詩人で作家のウラジーミル・ナボコフは、1899年にロシア帝国のサンクトペテルブルクに生まれた。ナボコフは他の多くの才能ある作家や詩人と同様にソ連から亡命し、米国で最も偉大な作家の1人とされている。

ロシア系米国人作家のナボコフ スーパーマンに捧げられた未発表の詩が英誌に掲載

ナボコフは米国への移住後にプーシキンの『エフゲニー・オネーギン』を英訳し、ロシア文学と世界文学を教え、才能に溢れた教師だった。1955年に刊行されたナボコフの小説『ロリータ』の内容はスキャンダラスそのものだったが、ナボコフはこの作品で世界的な名声を得ることになった。この作品のあらすじは、主人公は美少女ロリータを連れ去り、誘惑するというもの。


この未発表の詩は、宇宙人のスーパーマンが普通の女性ロイス・レーンとの間に子どもができなかった経験を描いたもの。ナボコフ自身は息子を通してスーパーマンのコミックを知ったという。ナボコフはソ連から亡命し、渡米した数年後の1942年6月、米誌「ザ・ニューヨーカー」の編集者チャールズ・ピアーズ氏にこの詩を送った。しかし、この詩の中盤は「問題あり」と判断されてしまった。ナボコフは英語にまだ慣れないとこぼしていたからだ。そのためピアース氏は、この詩の掲載を取りやめることにした。

この未発表の詩は、米イェール大学の図書館のフォルダーから見つかった。

この詩には次のような一節がある。

私は眼鏡越しに彼女を眺めている
そうしないと私の「スーパーな」瞳は彼女を傷つけてしまう
私には彼女の肺と肝臓が見える
まるで海底に住むタコのように脈打っている

中盤には以下のような一節が綴られている

私は若くて、生きる力に溢れ、普通の若者のように恋をしている
しかし私は自分の思いを抑えなくてはならない
結婚で私は殺人者になるかもしれない
情熱が急に高まると、私は火山のようになって、花嫁にホテルの部屋、レストラン、ホテルの隣にある建物や車5台を吹き飛ばしてしまうからだ

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