臨床試験は米国、チリ、ペルーで実施され、あらゆる年齢層の3万2000人超が参加した。参加者には、ワクチンまたはプラセボが4週間間隔で2回接種された。オックスフォード大学はワクチンについて「発症予防効果は79%、重症化や入院の予防効果は100%であることが示された」と発表した。
また同大学によると、臨床試験では安全性も示され、先に英国、ブラジル、南アフリカで行われた研究や、英国でのワクチン接種キャンペーンで得られたデータを補完しているという。
オックスフォード大学で新型ウイルスワクチン開発に携わったサラ・ギルバート教授は、ワクチン接種後の健康被害事例は常に存在したが、それは健康被害がワクチンによって引き起こされたことを意味しているわけではないと述べた。
アストラゼネカ製ワクチン使用の一時停止
アストラゼネカ製ワクチンの集団接種開始後、接種後の入院や死亡事例が報告され始めた。死亡事例を調査した医師らは、ワクチンを接種した人たちが血栓症を発症したことを明らかにした。
欧州の多くの国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スロベニア、ポルトガル、キプロス、オランダ、オーストリア、デンマーク、エストニア、ラトビア、リトアニア、ブルガリア、アイルランド、ルクセンブルク、ノルウェー、アイスランド)が、ワクチンの完全な使用中止、または一部ロットの使用中止を発表した。
欧州以外では、インドネシア、コンゴ民主共和国、タイ、南アフリカが使用を一時中止した。
なお、世界保健機関(WHO)は、ワクチンの使用継続を推奨した。
日本の菅首相は16日、日本国内での使用について「まずは情報をしっかり集め、整理した上で判断という形になる」と述べた。
アストラゼネカのワクチンの累計接種回数は1700万回とされる。