第16回Prix du Japonバレエ・コンクールが開催、140人が出場

3月25日から26日にかけて、東京中央区の日本橋公会堂で、Prix du Japon(プリ・ドゥ・ジャポン)第16回エデュケーショナル・バレエ・コンクールが開催された。コンクールには、日本全国のバレエ学校、バレエスタジオ、大学などから140人のバレエダンサーが出場した。
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Prix du Japonバレエコンクールとは

年に1度、このコンクールを主催しているのは、ロシア国立ペルミバレエ学校日本校。この学校は2005年にロシアのペルミバレエ学校とロシア連邦交流庁駐日代表の協力により、創立された。

Prix du Japon バレエ・コンクールはそのレベルの高さで知られている。コンクールでは、ロシアのバレエ学校の4人の現役教師が審査員を務める。今回は新型コロナの感染拡大により、出場者の数は日本の生徒たち140人となったが、毎年、通常は200人ほどが出場している。

第16回Prix du Japonバレエ・コンクールが開催、140人が出場

コンクールでは、初日にクラシックバレエ、2日目はキャラクターバレエダンスの審査が行われた。

ペルミバレエ学校日本校を創立した内田昭二氏によれば、創立以来16年で、およそ200人の日本人がロシア独特のクラシックバレエの指導法を身につけたという。また250人以上のダンサーたちが、学校の支援を受けて、モスクワ、ノヴォシビルスク、ペルミ、サンクトペテルブルクなどのバレエ学校への留学、またバレエ団で研修を受けている。

第16回Prix du Japonバレエ・コンクールが開催、140人が出場

現在、ペルミのメソッドを習得した教師たちの下で、1万人以上の未来のアーティストたちが正規の形でレッスンを受けている。またロシアのバレエに対する関心が高いことから、日本校では、毎年、ペルミの教師陣を招いて、マスタークラスやセミナーが開催されている。特に才能が認められた生徒は、ロシアの高等教育機関でバレエダンサーとして学ぶ権利を得ることができる。

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内田氏:「わたしたちは日本でペルミ国立バレエ学校日本校でダンサーを養成しているのではありません。養成しているのは、バレエ教師です。これらは、ワガノワメソッド、ロシアバレエメソッドで本物の指導を行えることができる先生を日本で育てるという目的で作られています。

その本当の目的ですが―実はソヴィエト時代、日本で本物のロシアバレエメソッドを知らない人が、勝手にワガノワだとかロシアのバレエだと言ってバレエを教えていたことがあり、それが変な形で残っているため、そうした状況を改善することが目的です。

また、クラシックバレエダンサーというのは、クラシックダンス、キャラクターダンス、ヒストリカルダンス、この3つを習って初めて本物のバレエダンサーと言えるのですが、日本ではクラシックバレエダンサーは、クラシックダンスだけ知っていればいいという考えが根付いしまっています。そうした考えも改善したいと思っています。」

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内田氏: 「学校に入るのはまったく難しくありません。条件はクラシックバレエを3年以上習っていること、それと15歳以上であること、それだけです。ただ、学校では、ロシアとまったく同じシステムで教師の養成を行っており、実技のダンスに加え、クラシックバレエの理論の口頭試験があります。これは日本では馴染みのないことです。それで日本人は口頭試験ができずに落ちてしまいます。毎年、15名入学しても、卒業できるのは5名か6名で、あとは理論ができずに落第してやめていってしまいます。日本のバレエ教室では理論がきちんとしていないので、なかなかレベルが上がらないのだとわたしは考えています。ロシアのバレエ学校では必ず実技と理論を両方を教えます。そしてペルミ日本校も理論に特に力を入れています。日本でも自分で教え、説明し、やらせて見て、それをチェックできる、そういう指導者を育てています。」

スプートニク:日本人がこれほどバレエに関心を持つのはなぜでしょうか?

内田氏:「小さな子どもを持つ日本のお母さんたちは、まず、子どもにしつけを身につけさせようとバレエを習わせます。またバレエを習わせることは、一つのステータスだということ。そして子どもの教育に良いと考えていることです。バレエを仕事にさせたいということではなく、教養のため、ステータスのため、しつけのため。これが日本人がバレエを習わせる理由ではないでしょうか。」

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