ブルームバーグは、海外からの観戦者を入れずに開催したとしても、大会には6万人の選手、コーチ、そして世界200カ国からスタッフや取材陣が詰めかけると指摘し、よって、組織になんらかの不手際があれば、五輪閉幕後、参加者、関係者らが自国に戻った後に感染爆発を引き起こし、世界中にウイルスを蔓延させるきっかけとなる可能性があると指摘している。
東京五輪の組織委員会は、隔離体制とワクチン接種が開催の主な原則となるとしている。日本のコロナ感染率は比較的低いが、ワクチン接種はまだ開始されたばかりであり、さらに大会の観戦者数をどれくらいに規定するのかは現時点ではまだはっきりしていない。
しかも、競技の種類によって、異なるリスクがあるとブルームバーグは指摘する。たとえば、サッカーの試合においてゲーム中の選手間の感染は考えられないが、レスリングなどでは感染の確率が高い。五輪大会では33種類の競技が日本全国の42の会場で行われることになっている。
ブルームバーグによれば、五輪大会というものは、参加者たちの交流の場であり、そのことを考慮して、会場や選手村が作られている。もちろん、今回は、公式的には、長時間におよぶ大規模なパーティなどは禁止されるが、人々の接触について、誰がどのように管理できるのかは疑問である。しかも、選手だけでなく、ボランティア、地元住民、来訪者なども管理する必要が出てくるのである。組織委員会によれば、その総人数は15万人を超えるという。
感染のリスクを軽減するには、五輪のすべての関係者に4日ごとに、PCR検査の陰性証明を提出させる必要があるとブルームバーグは書いている。またこれに関連して、スクリプス研究所の所長は、五輪の参加者、関係者の全員がワクチン接種をすることが理想的だと述べている。また記事によれば、いくつかの国では、すでに出場選手へのワクチン接種が始まっている。
海外からの観客の受け入れを断念したことによる、経済への深刻な打撃については、「スプートニク」の過去の記事でお読みいただけます。
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