現在は、どの産業もプラスチックの使用を避けられない状況となっていると米国の化学者らは指摘する。ポリウレタンは靴、衣類、冷蔵庫、建材などすべてに用いられている。しかし、このプラスチック類には、大きな欠点がある。石油から作られているポリウレタンは化学合成の際に大量の有毒物質を排出し、分解に時間がかかるため、環境にやさしいクリーンな素材とはけして言えないのである。
米国の研究者らはこの有害な「石油の」ポリウレタンをよりクリーンな素材に変えようと考えた。そこで魚の廃棄物を使って生分解性の代替品を作ったのである。ユーレックアラートは、この新たな素材の実験が成功すれば、魚の廃棄物と魚油をベースにしたポリウレタンは環境にやさしいプラスチックを開発するという問題を解決することができるだろうと指摘している。
無害なポリウレタン開発の試みはこれまでにも行われたが、そのときは植物性の油を使うことが検討されていたとユーレックアラートは指摘する。しかし、このような植物を栽培するには経済資源として重要な土地が必要とされる。一方、魚油を含む魚の廃棄物は、特別な出費もなく、大量に入手することができると米国の研究者らは強調している。
プラスチック粒子が肺に入ったときにどのような害があるのかについては、「スプートニク」の過去の記事からお読みいただけます。
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