EUの外交政策声明では「ボレル上級代表とブリンケン国務長官は最新のウクライナの動向について協議し、ウクライナの国境や違法に併合されたクリミアで続いているロシア軍の増強について深い懸念を表明した」と述べられている。
先に米国政府は、「ロシアによる攻勢」が激しさを増し、クリミア半島、およびウクライナとの国境付近にロシア軍の部隊が集中していると指摘していた。これを受けて米国側は事態の説明をロシア側に要請したほか、ロシアとの対話に応じる姿勢を表明していた。ロシア外務省のセルゲイ・リャブコフ外務次官はリアノーボスチ通信の取材に応じた中で、米国側にはすでに然るべき説明はされていると発言した。リャブコフ外務次官は取材の中で、米国が提案する「トーンと展望」の枠組みでロシア側に対話を行う用意はなく、また米国側には十分な説明が行われているとした。
クリミアは2014年3月に実施された住民投票の結果、クリミアの有権者の96.77%およびセヴァストポリの住民の95.6%がロシアへの再編入を望んだため、ロシアの構成体となった。
一方で、ウクライナは未だにクリミアを自国の領土と主張しつづけており、現在の状態を一時的な占領と位置付けている。これに対してロシア指導部は、クリミア住民の実施した住民投票は民主的手段により、国際法および国連憲章に完全な形で則っており、投票でロシアへの再編入が選び取られたという立場を何度も繰り返してきた。プーチン大統領は、クリミア問題は「完全に解決済」と指摘している。
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