不規則な食事および生活様式による肥満は、食物カロリーとエネルギー消費の間でのアンバランスによって引き起こされる。オーストラリアのガーヴァン医学研究所の生物学者らは中国とカナダの研究者らと共同で、医薬用物質が直接、脂肪組織に影響を与えるアプローチについて研究を実施した。これは、副作用のある薬による食欲抑制よりもより効果的で安全となる。
肥満の人の脂肪組織の生体組織検査を実施することで、研究者らは、栄養不足の際にエネルギーの蓄積を促進するニューロペプチドY1(NPY)分子の接受体をブロックすることで、肥満の改善と体重増加の予防に役立つことを発見した。
拮抗物質BIBO3304によってY1をブロックした場合、体温とエネルギー生産にとって無駄となる脂肪を「予備エネルギー」の脂肪に変えることが可能となる。この点について研究責任者であり、ガーヴァン研究所の神経内分泌学グループのヤン・チュアン・シィ教授が解説した。この方法はマウスで実験が行なわれたが、実際にマウスの体重は大きく減少した。このプロセスは人の脂肪細胞でも取り組まれた。
拮抗物質BIBO3304は血液脳関門を通過(脳に入ることはない)することはなく、また、骨細胞の成長に肯定的に影響し、心血管機能を改善させ、インシュリンへの耐性を高めると強調される。
研究者らは、彼らの発見が新しい肥満の治療法の開発に役立つことに期待している。
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