研究を率いるロルフ・マーシャレク教授によると、スパイクタンパク質は、健康な細胞の細胞質液(コロナウイルスが通常タンパク質を生成する場所)ではなく、核に送られる。その後、スパイクタンパク質の一部が切断され、細胞膜と結合できない変異が生じ、免疫が発生する。その代わり、このタンパク質の変異体は、10万人に1人程度の割合で血栓症を引き起こす。
マーシャレク教授は、他のRNAベースのワクチン(ファイザー社やモデナ社のものなど)は、スパイクタンパクの遺伝物質を核ではなく細胞液中に送り込むものだと説明している。まさにこれがあるために、稀ではあるものも危険な副作用を避けることができる。
マーシャレク教授はまた、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の担当者が、自社のワクチンを適応させるために自分の研究室にアドバイスを求めてきた事実を明らかにした。教授によれば、この薬に含まれる接着タンパク質は、アストラゼネカ社のワクチンに含まれるタンパク質よりもスプライシング(転写後のプロセシング)を起こしにくい。このため、ジョンソン・エンド・ジョンソン社のワクチン接種をうけた740万人のうち、血栓症を起こしたケースは8人にとどまっている。
フィナンシャルタイムズ紙によると、多くの研究者からは、マーシャレク教授の説は、ワクチンを血栓の誘因とする数多くの仮説の一つに過ぎないという見解が出されている。
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