バンコク大学の研究者らは、新型コロナの感染者の汗に含まれる独特のにおいを嗅ぎ分けさせる訓練を行ったが、訓練を受けた6匹のうちの3匹がすでにその実力を発揮した。ラブラドールのエンジェル、ボビー、ブラボーは、5月10日から、大学の職員や学生、その他の協力者から採取された1,000個のサンプルを使って実験を行なった。犬は、金属製の容器に入れられた汗のサンプルを嗅いだ数秒後に、コロナウイルスに感染しているかどうかを判定。陰性だと見なした場合にはそのまま通り過ぎ、陽性だった場合は、容器の前に座り込んで知らせる仕組みになっている。実験の結果、判定の精度はほぼ95%であった。
研究を率いるカイバリー・チャットダロング教授は、ワシントン・ポスト紙に対し、研究チームは、フィンランド、アラブ首長国連邦、ドイツ、インドなどの犬学者たちのこれまでの経験を調査し、タイでも導入することにしたと述べている。研究者らは、感染爆発が発生している地域に探知犬を派遣する計画だという。探知犬は地元住民の汗のサンプルを収集する緊急チームの一員として勤務することになる。
ワシントン・ポスト紙によれば、感染予防対策として、汗を入れる容器は、犬の鼻がサンプルに直接触れないよう作られているという。また研究者らは、犬の呼吸器系の細胞の受容体はコロナウイルスの感染にかかりにくいと述べている。
米ペンシルベニア大学の獣医学部が、犬に尿のにおいで新型コロナの感染者を検出させる実験を行い、その精度が96%にのぼったというニュースは、「スプートニク」の過去の記事からお読みいただけます。
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