ディアチェンコ氏は、新会社立ち上げの理由について、日露間の「8項目の経済協力プラン」に代表されるような大規模プロジェクトではカバーできない、新しい分野を開拓するためだと話す。
ディアチェンコ氏「資源やインフラ分野の大規模なプロジェクトはありますが、ミドルサイズ、スモールサイズの企画がまだまだ足りません。ロシア企業で日本とのビジネスに関心を持っているところがあっても、インフラもないし、どうコンタクトするかノウハウもありません。ロシアでは、例えば日本で地震などが起これば報道されますが、日本経済とか、ごく一般の日本人の生活についてはほとんど情報がありません。そこがドイツなどヨーロッパ諸国と違うところです。日本との商売は、まだまだこれからです。台湾にも現地法人を設立しました。台湾ではロシア企業の現地法人第一号ということで、取材を受けましたよ。今後、日本を拠点に韓国やマレーシア、タイなどにもビジネスを広げていく予定です。」
ディアチェンコ氏「日本市場は非常に競争が激しいので、これまで日本になかった全く新しいものを提供しないと実績が作れません。ロシアは広いですから、ロシアのあちこちへ行って、たくさんのプロジェクトを準備中です。」
今のところ、ヤロスラヴリのメーカーが開発した、海の中を自由に移動できて持ち運びも簡単な「SEABIKE」、タタールスタンのメーカーが宇宙分野の技術を参考に開発した消臭剤、ペット向けのオーガニックシャンプーやコスメ、IT分野のプロジェクトがあるが、順次増やしていく予定だ。
日本からロシアへは、主に日用品や食品を手がける。ディアチェンコ氏は、「ロシアに日本製のものは少ないし、高すぎます。私たちの目的はもっとリーズナブルな価格で日本製品を紹介することです。小さい商社ですが、制限は少なく、どんな分野でも商売できます。面白くて普通じゃないことにどんどん取り組みたい」と抱負を語ってくれた。