日豪2+2についての専門家のコメント 「中国側の報復行動を誘発する」

6月9日、第9回日豪外務・防衛閣僚協議(2+2)がビデオ会議方式で開催された。公式発表によると、協議の目的は国際社会が直面するさまざまな挑戦や「自由で開かれたインド太平洋」の推進を促す連携の道筋に関する意見交換だった。協議の後、双方が採択した共同声明によると、日本とオーストラリアは自由で開かれたインド太平洋の実現のための戦略的対話を含め、安全保障・防衛分野の協力を新たな次元に引き上げることに合意した。声明全文は両国外務省の公式サイトに掲載されている。
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オーストラリアと日本 軍事協力で条約締結へ
双方は「我々は、係争のある地形の継続的な軍事化、海上保安機関の船舶及び「海上民兵」の危険な使用、並びに他国の資源開発活動を妨害する試みを含む、南シナ海における最近の否定的な動き及び深刻な事案に関する深刻な懸念を共有する」として、で東シナ海と南シナ海の状況に懸念を表明している。

より効果的な防衛協力のため、双方は「自衛隊と豪州国防軍との間で、空中給油を含め、共同訓練・オペレーションを複雑化・高度化させていく」ことでも合意した。このほか、両国はサイバーセキュリティや宇宙安全保障の分野でも緊密に協力する意向だ。そのために双方はより強力に情報共有を実施し、両国の防衛当局同士の対面での会談を実施していく意向である。

昨年11月中旬、オーストラリアのスコット・モリソン首相が訪日した際、モリソン首相と菅首相は、オーストラリアと日本が防衛分野の事業や自然災害および人道的災害の処理活動のために相互に領土を提供できるようにする「日豪円滑化協定」に署名する計画であると発表していた。これは、米軍基地のように部隊が常駐するということではなく、海上を含む合同演習または多国間演習の場合を指している。また、これまでに、双方は2017年に物品役務相互提供協定に署名している。

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ロシア国際問題評議会のアンドレイ・コルトゥノフ会長は、これはこの地域に新たな安全保障の枠組みが形成される要素のひとつであると語る。「すでにこの形式の会談は9回目であり、軍事政治分野の日豪対話のカウントは、2+2の端緒となった安全保障協力に関する日豪共同宣言が2007年に採択されて以降、続いています。2008年、双方は機密情報の共有で合意し、合同軍事演習を増加させ、平和維持の措置を議論するための協議の場の必要性を確認しました。その後の数年間には核兵器不拡散措置に関する合意や、平和維持活動での物品役務相互提供についての合意などにも署名しています。日本とオーストラリアはQUADでも協力しています。

今年3月には、史上初となるアメリカ、インド、日本、オーストラリアの四ヶ国(QUAD)の首脳会合が実施され、今回の声明に記されているのと同じ目標と課題が議論されました。この種の合意や協定は日本が他国と同様のプロジェクトを実施するための先例になる可能性はあると思います。とりわけ、日本とイギリスです。ロンドンと東京は2016年から合同軍事演習を実施していますが、日豪と同様の協定を策定する作業がすでに進んでいるという未確認の情報もあります。このように、インド太平洋地域に新しい安全保障の枠組みが形成されつつあり、それが最も気に食わないのは中国です。」

コルトゥノフ氏によると、今回の日豪2+2は、中国の軍事力と活動を抑止するための協力プロセスだという。コルトゥノフ氏は言う。「もちろん、これは中国の国益に反するものであるため、中国側からの報復行動を誘発することになるでしょう。しかも、中国は口だけではなく、実際に行動する可能性があります。例えば、オーストラリアからの石炭の輸入制限は、オーストラリアにとって極めていたい注射になるでしょう。」

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