研究では、遺伝的素質や様々な環境曝露が疾患に対して与える影響を調査する「UKバイオバンク」の参加者49万4,585人(40歳から69歳)を対象に、コーヒーの消費に関するデータの分析が行われた。調査の参加者の大部分(38万4,818人)はコーヒーが好きだというグループで、残り(10万9,767人)はコーヒーを飲まないグループであった。
研究チームがおよそ11年にわたり、参加者らの肝臓の状態を調査したところ、慢性肝疾患の発症件数は3,600件、死亡者数は301人、脂肪肝疾患の発症件数が1,839件だった。研究では、ボディマス指数やアルコール摂取量、喫煙の有無なども併せて調査した。
分析の結果、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて、慢性肝疾患や脂肪肝疾患を発症する可能性が20%小さくなることが分かった。また慢性肝疾患で死亡する可能性は49%小さくなるという。
英サウサンプトン大学のポール・ロデリック教授と共同執筆者らは、「大々的な調査により、英国では、コーヒーが深刻な肝疾患発症のリスクを低減することが証明された」と強調した。研究の結果、肝疾患の予防的治療に有益なものになっているとの結論を導き出した。
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