報道では、この場合、もともと宇宙技術には2つの使命があるが、それは「世界の舞台における地位と科学分野での権威の枠を遥かに越えて危機に瀕している」と指摘する。記者らによれば、宇宙衛星は国家防衛だけではなく、デジタル通信からナビゲーションまで、地球の人々の暮らしの大部分に大きく関連しているという。
報道によれば、まさにこうした躍進が、中国の宇宙分野での野心を前に、米国が「自己満足」に陥ることを警戒するよう米航空宇宙局(NASA)の新長官ビル・ネルソン氏に気付かせることとなったという。先月の米下院での審議の際に、ネルソン長官は火星で中国の探査車が撮影した画像を紹介し、中国を「非常にアグレッシブなライバル」と呼び、また、再び人類が月面に降り立つNASAの計画へ財政支出を行うよう議会に要請した。
報道によれば、それでも中国の宇宙技術は、これまでと同様に米国に追い付いてはおらず、中国政府の宇宙プログラムは与党である中国共産党の完全な政治的、財政的サポートによって保障されているという。同党は、ミッションの成功が国際舞台での自国の地位を保障し、国内における正当な評価の鍵となると見ている。
新たな競争のレベル
CNNは、先週、中国の3人の宇宙飛行士が建設中の宇宙ステーションに到着し、3ヶ月間滞在することになったが、これによって米中は宇宙分野での新たな競争の段階に入ったと指摘する。この宇宙ステーションに代わるものは米国がロシアや欧州、日本、カナダと協力して建設した国際宇宙ステーション(ISS)だけしかない。
CNNは、「ISSはそもそも冷戦の灰から生まれた露米事業だったのに対し、中国の『天宮号』は新たな冷戦が指摘される中で建設されている。そして、近い将来、宇宙の同盟は地球の地政学的スタンスが反映されたものとなることはほぼ間違いない」と強調する。
報道によれば、宇宙分野を担当する中国高官は、すでに明確に中国の宇宙ステーションが完成した際には、機内に他国の宇宙飛行士を受ける入れることを希望している。また中国は、2035年までに月の南極部に研究ステーションを建設するためのプロジェクトでロシアと協力を行っている。この施設は他国の参加者にもオープンにされる。
一方で米国は、安全で責任ある月の研究を行うための基本原則を確立するため独自の国際連携を作ろうとしているとCNNは指摘する。
アルテミス合意には12ヶ国が署名し、その中には米国をはじめ、主要な同盟国である英国やオーストラリア、カナダ、日本、韓国が含まれる。
その一方で中国もロシアも署名は行っていないとCNNは指摘した。