中国の国連ジュネーブ事務局常駐代表団の蒋端(JIANG Duan)公使は、女性に対する暴力に関する国連特別報告者との対話で、「慰安婦」問題は否定できない歴史的事実だと述べた。
女性に対する暴力に関する国連特別報告者のドゥブラフカ・シモノビッチ氏は、第二次世界大戦中、旧日本軍は中国の南京で女性に対する大規模な性的暴行を行い、多くの国で「慰安婦」を強制的に連行したと強調した。
蒋氏は「一方、今日に至っても日本では多くの人が、南京大虐殺や『慰安婦』の強制連行などの日本の軍国主義侵略者が犯した恐ろしい犯罪の否定を試み、侵略の歴史を否定したり、美化しようとさえしている」と述べ、「これは被害を受けた国々における重大な人権侵害であり、間違いなく裁判や良心によって裁かれるだろう」と指摘した。
韓国の代表者も「慰安婦」問題について懸念を表明し、被害者に汚名を着せ、犯罪者に罰を与えないことは、被害者にさらなる害をもたらし、その苦しみを増加させると述べた。
従軍慰安婦
「従軍慰安婦」制度は、日本軍が太平洋戦争(第二次世界大戦)中に朝鮮や中国をはじめとするアジア諸国で強制した売春の形態。2015年12月に日韓は、この問題をめぐり冷え込んでいた両国関係の正常化を解決すべく慰安婦問題日韓合意を締結した。同文書は外相会談で調印され、両国首脳が承認。日本側は韓国の「元慰安婦支援基金」に10億円を拠出し、この合意をもって慰安婦問題の「最終的かつ不可逆な」解決とした。
しかしその2年後に韓国側が合意内容に欠陥があると主張。修正と日本政府による被害女性への謝罪を求めた。日本側としては、すでに戦時中の犯罪については全ての被害国に謝罪はしており、日韓関係の過去の問題解決を宣言した1965年の日韓基本条約に基づき韓国に5億ドルの経済協力金を支払ったと反応している。