WHOが解説 なぜワクチン接種前の抗体検査を推奨しないのか

世界保健機関(WHO)は、ワクチン接種を決めるにあたり抗体検査を利用することを推奨していない。ロシアメディア「RBCインフォメーションシステム」に在露WHOメリタ・ヴィノビッチ公式代表が語った。同機関の専門家らは抗体を得る上でもっとも良い方法としてワクチン接種を推奨しており、さまざまな抗体レベルでのワクチン接種の安全性を指摘する。
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ヴィノビッチ氏は、「抗体の評価は難しい課題であり、さまざまな科学的なレベルや複雑な研究結果が必要とされる。(商業的研究所で実施される)『通常の検査』での特定の抗体の存在は、大抵はそれらが中和性の抗体であるかを、つまり、ウイルスを抑制できるのかを示してはおらず、そのためWHOはこの種の検査を推奨していない」と語った。

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同氏は、「一般的にWHOは個人および集団免疫を達成する最良の方法としてワクチン接種を推奨している」と強調した。

抗体検査又は血清学的検査は、血清内の抗体分析を実施することといえる。抗体は感染に対する身体の抗体反応の一部となる。新型コロナウイルスを引き起こするSARSコロナウイルス2に対抗する抗体は、通常、感染後、初めの数週間で形成される。抗体の存在は、人がSARSコロナウイルス2に感染したことを示しているが、感染症が重症か軽症か、または無症状であるかどうかには関係がない。

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ロシアメディアへの最新のインタビューでヴィノビッチ氏は、コロナウイルス用のワクチン接種はさまざまな抗体レベルで実施することが可能であり、ワクチンはその存在がなんらかの有害な状況を作り出すことはないと指摘した。同氏は、「もしみなさんに抗体があっても、そのことはワクチンがみなさんになんらかの有害な状況を作り出すことを意味するものではありません。それはまったく正しくありません。抗体値のレベルにかかわらず、ワクチン接種は安全です」と解説した。

同氏によれば、抗体検査は患者の血液中に抗体が存在するということ自体を示しているが、しかし、その免疫レベルを判定してはいないという。

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