「ミュータントによる初の五輪?」:スポーツ界における遺伝子ドーピングの新たな事態について

医療分野での著しい遺伝子治療の発展により、スポーツの世界で遺伝子操作がドーピングの手段として使用されるおそれがある。スウェーデンのスヴェンスカ・ダーグブラーデット紙が報じた。専門家らは、東京五輪ですでに遺伝子ドーピングが発覚することを否定していない。
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同紙によれば、医療における遺伝子治療の活用は、20世紀の70年代にすでにはじまっているという。医師らは、通常の治療法に頼らずに、人体への健康な遺伝子移植または休眠遺伝子の活性化により病気を克服しようと試みた。しかし、遺伝子治療が人間にとって完全に安全であるということはできないと、スウェーデンの医師でドーピングの専門家であるオケ・アンドレン-サンドバーグ氏は強調する。同氏はその理由を、身体の免疫システムの激しい副反応から患者の死亡例が報告されているからだと述べた。しかし同専門家は、実際に命と健康に危険があるにも関わらず、自らの競技で好成績を残すため、ハイクラスの選手らは死のリスクを選択する可能性があると危惧している。スヴェンスカ・ダーグブラーデット紙のインタビューで同氏は、「私は、遺伝子ドーピングに関してはあらゆるリスクがあることから、私たちはこの問題について今後も考え続けなけれがならないと主張している」と語った。

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報道によれば、遺伝子ドーピングの使用がはじめて問題となったのは、2006年のトリノ五輪の直前だったという。ドイツの陸上コーチが自分の選手に、貧血治療のために開発された最新の遺伝子治療用製薬のステロイドを提供したことが判明した。この製薬は、赤血球の増進を図る遺伝子を体内に補充させる。その結果、選手の筋肉はより多くの酸素を吸入することができ、パフォーマンスが向上する。一方でこの製薬は血栓を作り出し、死を招くおそれがあると同紙は指摘する。

ドーピングの専門家であるオケ・アンドレン-サンドバーグ氏によれば、トリノでの問題発覚後、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)の代表は、遺伝子ドーピングンの管理強化を指揮したが、しかし、トリノや北京、バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオ、平昌といった大会では、遺伝子治療を使用したと思われる選手は1人も見つからなかったという。しかし、スウェーデンのカロリンスカヤ研究所のカール・ヨハン・サンドバーグ教授は、それでも選手が遺伝子ドーピングを使用しているということを否定しない。同教授は、単純に既存の検査システムでは発見ができず、つまり、ドーピングの使用者が追跡の先を行っているのだと強調した。

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同教授は、いずれにしても東京五輪では、選手に対し、もっとも効果的で最新の遺伝子ドーピング検査が実施されると指摘する。同教授によれば、東京五輪では、WADAのルールに違反した選手が暴露されることはまちがいないという。スヴェンスカ・ダーグブラーデット紙では、「つまり、東京五輪がミュータントが出場したはじめての大会となるか、私たちはまもなく知ることになります」と強調された。


以前、通信社「スプートニク」は、2021年3月から中国ではドーピングの使用、また、選手への禁止物資使用の強制に刑事罰が課されることについて報じている。こうした違反行為には最高3年の懲役刑が言い渡されることになる。

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