OPECプラスの石油生産量 2022年には危機以前の水準に戻る

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国による「OPECプラス」は18日の閣僚会議で、原油生産量を2021年8月から日量40万バレルずつ引き上げることで合意した。一方、協調減産の枠組みは、2022年末まで延長することが決定した。
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OPECプラスの国々において、現在の日量576万バレルの協調減産は、2021年末までに日量370万バレルまで減ることになる。この取り決めにより、2022年10月までにOPECプラスに参加する国々の原油生産量は、2018年10月以来の水準に戻ることになる。OPECプラスは引き続き協調減産を行うが、さらなる減産を導入する可能性もある。

報道によると、今回の決定は、石油市場の強化と石油需要の増加を背景に行われたという。

原油価格の下落が継続 景気回復への懸念から
OPECプラスの5カ国(ロシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、イラク)の生産量は、2022年5月から引き上げられることとなった。ロシアとサウジアラビアの生産量はそれぞれ50万バレル、アラブ首長国連邦は33万バレル、イラクとクェートは15万バレルずつ増加する。

次回のOPECプラスの閣僚会議は9月1日に予定されている。アレクサンドル・ノヴァク副首相(燃料・エネルギー部門担当)は、テレビ局「ロシア24」の取材で、閣僚会議は「市場の状況を評価し、場合によってはさらなる是正措置を講じる」ために開催すると説明している。

ロシアのOPEC交渉担当者であるノヴァク氏は、OPECプラスは市場で石油が不足する中、石油生産量を危機以前の水準に戻すことを決めたと述べている。ロシアは毎月10万バレルずつ増産し、これにより2022年5月には生産量は2019年の危機以前の水準に達するという。また同氏は、ロシアは2021年から2022年にかけて合計2100万トンの原油を増産する。ノヴァク氏は、原油1バレルの平均価格60ドル(約6590円)の計算だと、4000億ルーブル(約5890億円)超の予算を追加することができると指摘した。

石油危機

2020年に起きた新型コロナウイルスのパンデミック石油や石油製品の消費危機を引き起こし、2020年3月初旬には原油価格はほぼ半減した。OPECとその非加盟国は2020年4月、原油価格を安定させるため、2020年5月1日から2022年4月末までの2年間で日量970万バレルの減産を行うことで合意した。その後、OPECプラスの生産量は石油市場の状況に応じて調整され、各国は生産量を増やしていった。

OPECプラスは2018年10月に減産基準を定めており、ロシアとサウジアラビアは110万バレルの減産を行っている。

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