同紙は、このような不平等は巨額の経済的損失や新たな難民の流れから、ワクチン接種を無意味にするコロナウイルスの変異に至るまで、多くの危険性をはらんでいると警告している。
カロリンスカ研究所(スウェーデン)の疫学者、アンナ・ミア・エクストレム氏はDNのインタビューで、すべての国へのワクチン配布に関する戦略が適切に選択されていれば、世界中のリスクグループの人びとや医療従事者へのワクチン接種はすでに可能となり、それによってアジア、南アメリカ、アフリカの超過死亡を回避できたはずだと語った。一方、エクストレム氏によると、高所得国とワクチン接種率が1%強の低所得国に供給されたワクチン量の大きな差は拡大し続けている。
DNは、新型コロナウイルスのワクチンを分配する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」で低中所得国に約束されたワクチンへのアクセスは完全には実施されず、20億回分のワクチン供給が予定されていたが、実際に供給されたのは1億3800万回分だったと指摘している。
エクストレム氏は「人々が全世界への均等なワクチン配布の拒否を決めたとき、これはパンデミックを長引かせ、それによる経済的損失、失業率および貧困率の増加、全世界への難民の流れという形で私たちに返ってくるだろう」と警告している。同氏によると、新型コロナウイルスへの感染者が多ければ多いほど、コロナウイルスが変異する確率は高くなる。
パンデミックの第5波と第6波の最中に新たな変異株が誕生する可能性がある。これは、地球上のすべての人にとって悲劇となるだろう。
先に「スプートニク」は、WHOが発表した新型コロナウイルス対策における主な目標について報じた。その一つは、来年9月までに各国の70%の国民がワクチン接種を受けることだ。
関連ニュース