女子1600メートルリレーに出場予定だったベラルーシ五輪代表のメンバー2名は必要なドーピング検査を受けていなかったことから出場を認められなかった。そこでベラルーシのコーチ陣は陸上女子100メートルと200メートルの予選に出場予定だったツィマノウスカヤ選手を急遽、出場させようとした。これに対し、ツィマノウスカヤ選手はSNSでコーチ陣を批判した。この事態を受けてベラルーシ五輪委員会はツィマノウスカヤ選手の「感情的・心理的状態」を踏まえ、帰国させる決定を下した。
ツィマノウスカヤ選手は羽田空港で帰国を拒否して日本の警察に保護を求めたほか、西側諸国への亡命を希望する意思を表明し、国際五輪委員会による介入を訴えた。ベラルーシ当局はツィマノウスカヤ選手に圧力を行使し、本人の同意抜きに日本から連行しようとしているという。
こうした中、チェコ五輪代表団は同国の政府専用機で首都プラハに避難することを提案している。チェコ・スポーツ庁のノイセル長官によると、チェコ政府がツィマノウスカヤ選手の避難を許可する場合、同選手は五輪終了後まもなくチェコ代表団とともに政府専用機でプラハに移動できるという。
チェコのヤクブ・クルハーネク外相は1日、ツィマノウスカヤ選手に支援を行う用意があることを表明していた。また、ビザ発給について首相、および内相と協議を行い、チェコに滞在しながら国際的支援を申請できるよう支援する意向を示していた。また、東京にあるチェコ大使館はツィマノウスカヤ選手に支援を行う用意があることを表明している。
反体制派のベラルーシ・スポーツ連帯財団(BSSF)は選手がコーチ陣を批判したことから、力づくで東京から連行しようとしていると記者団に説明した。
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