暑さと寒さがこれまで以上に人の死因となっている

米国の研究者らは、過去数年の世界的な気候変動と異常気象に関連した死亡数の増加に注目している。こうした変動は極度な高温だけでなく、異常低温も含まれる。雑誌『ランセット』に発表された報告では、1980年から2016年にかけ高温に関連した死亡数が世界中で74%増加したことを明らかにしている。また、1990年以降、異常低温に起因した死亡例も31%増えている。
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圧倒的な気象学者らの意見によれば、現在の気候変動は人為的特徴を示しており、これらは炭素やメタンを含める温室効果ガスのような大気中への余計な排出物に起因している。大量の温室効果ガスは、先進国の生産や輸送、農業によって生み出されている。これらすべては、極端な気温をますます頻繁に生じさせ、その期間をいっそう長期化させる。

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気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次報告では、気候変動はまさに人類の活動によって引き起こされていることを示す決定的な証拠を提供している。記録的な暑さや洪水、干ばつは、米国西部から南欧州、中央アジアの数百万人の生活をすでに破壊している。近い将来、世界的な気温の上昇が続くことから自然災害はますます拡大すると予想される。

新たな研究では、極端な気温や暑さ、寒さと多くのリアルな死因を関連付ける証拠が示されている。雑誌『ランセット』の論説では、「私たちの報告は、人間の健康に対する温暖化の影響がこれ以上無視できないものであることを証明する説得力のある科学的論拠を提供している」と指摘する。

米国疾病予防管理センターのデータによれば、米国だけで600人以上が毎年深刻な暑さで亡くなっているという。多くの死亡例や症例が熱波に関連しており、その防止は可能だったと指摘する。今年すでに米国西部ではかつてない熱波で数百人の死亡が確認されている。予想では、今世紀末までに世界の人口の半数以上が毎年、数週間にわたって危険な暑さに見舞われるという。

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新しい研究の範疇としてワシントン大学の研究者らは数十ヶ国の6490万件の死亡記録を調査し、そのうち少なくとも169万件が2019年だけで極端な気温に関連していた可能性があることを明らかにした。約35万6000人が異常な暑さに晒され、130万人が極度の寒さに苦しんでいる。

これまでの研究では、深刻な暑さの影響がメンタルヘルスや妊婦に関する問題、異常分娩などを引き起こす可能性を示唆している。高齢者や慢性疾患の患者、子どものリスクがもっとも高いと言える。

かつては20年に1度程度だった異常に暑い日や熱波が頻繁化しており、もし現在の温室効果ガスの排出量が減少せず、逆に増えるようなことがあったなら、今世紀末に向けこうした事態は毎年発生するおそれがある。この気温の上昇は、高齢者人口の増加と相まって、より多くの人たちの健康が暑さと寒さに関係するリスクに晒されることを意味している。

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