スイス ロボット工学に象の鼻の動きを応用

雑誌『ブリック』が学術誌『カレントバイオロジー』を引用し報じたところでは、スイスのジュネーブ大学の研究者らが、象が鼻を使って行うさまざまな行動の詳細を記録し、解明を行った。研究者らは、こうした動きはまったく新たな機能を持ったロボットの開発を可能にすると予想する。
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同誌は、象の鼻の驚くような機能は、ねじれや折れ、伸縮など、多くのさまざまな動きに対応する数千の筋肉によって実現されていると指摘。象は骨のない鼻を使って細長い草の茎を易々と掴み、また、重さ最大270キロの荷物を運ぶこともできる。象の鼻の特別な運動能力に感銘を受けたスイスの研究者らは、ロボット工学にその構造上の特性を応用することを考えた。

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研究者らは、動物園で死亡した2頭の象の鼻をコンピューターとMRIで解析し、さまざまな筋肉の様子を可視化した。コンピューター調査と象の野外行動を観察した際に得られたデータを活用し、研究者らは、コンピューターモデルの3D画像で鼻の動きを詳しく再現することに成功した。

研究結果は、さまざまなニーズを実現するため、象は17種類の基本的な動きを組み合わせていることを明らかにした。しかし、これらの基本的な動きは、個々の筋肉のブロックが組み合わされることで実現し、それにより象の鼻は数えきれない程のたくさんの動きが可能となる。

今後、研究者らは、象の鼻の動きの詳細な分析結果を、新しいロボット世代の創作を目的とするロボット工学プロジェクトに生かしたいと考えている。『ブリック』誌で研究者らは、「私たちの目的は、まったく新しいロボットを創作することにあります。このロボットは、柔軟な素材で作られ、広い稼働範囲を実現し、たとえば、身体の弱い人が水分を補給したり、または立ち上がったりするのをサポートします」と抱負を語った。

考える必要があるのは、象の鼻は強力な武器になることもできるということだ。以前、通信社「スプートニク」は、タイで発生した危険な出来事について報じた。米を炊く匂いに誘われ、象が住居の壁を破壊し侵入するという事件が発生している。

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