人口統計学者が指摘 先進国でパンデミックが出生率に与えた影響

米コーネル大学の研究者らが、新型コロナウイルスのパンデミックにより、18の先進国で出生率が著しく急激に低下し、さらにより深刻な出生率の下落が南欧の各国で記録されたと発表した。研究結果が雑誌『PNAS』に掲載された。人口統計学者は過去10年の22ヶ国の出生率の変動に関する統計を分析し、得られた結果と2020年度の指数の変化との比較を試みた。研究は欧州各国だけでなく、米国やシンガポール、日本、韓国、イスラエルも対象とされた。
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研究者らが行った計算は、調査が行われた22ヶ国中18ヶ国でパンデミックにより一度に著しく出生率のレベルが低下したことを示している。また、研究者らは、南欧の6ヶ国でパンデミックがより強く人口動態に影響したことを発見した。出生率がもっとも低下したのはイタリアで、9.1%も下落。次に下落が著しかったのは、わずかの差でスペイン、ポルトガル、ハンガリー、オーストリア、ベルギー、シンガポール。フランスや米国、イスラエル、日本でも出生率の低下が見られたが、上記の7ヶ国よりは下落の程度は小さかった。

2020年の日本の出生数 120年来の最低値に コロナ禍
研究者らは、北欧の各国の出生率はパンデミック前との比較で下落していないだけでなく、逆に増加に転じている点に注目した。研究者らによれば、このことは、これらの国々ではパンデミックの規模がさほど大きくないということ、社会的支援システムが発展していることに関連している可能性があるという。

各国はそれぞれに出生率の問題解決に努めているが、しかし、いつも成功しているわけではない。以前、通信社「スプートニク」は、中国政府が「1家族2子」の規制政策を廃止する法律を採択したが、社会では歓迎されなかったというニュースを紹介している。

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