日本は米国をはじめG7諸国の近い同盟国ではあるものの、対露、対中制裁については極めて消極的な態度をとっている。フランシス・シン氏は日本のこうした姿勢のおかげで露中には西側の制限措置をかわす可能性が生まれると指摘している。
「日本が中国、ロシアに対する制裁を発動したがらないのは、中立的立場を維持して戦略的関係をもつという日本の意図に端を発している」とシン氏は語る。シン氏は、一方では米国をはじめとして、中国とロシアに対して制裁をしく多数の諸国にとっての同盟国であることが日本の立ち位置の稀有な点だと指摘している。
特にロシアとは戦争状態の終結のための平和条約を締結していなくとも、日本がロシアと協力し、ロシア産エネルギーの輸入拡大に関心を失うことはない。シン氏は、日本は国内市場が大きく、世界の金融システムと深く関連しているため、中国やロシアが西側諸国の制限を回避して金融活動を行うためのフィールドにこの国がなりうる可能性があると指摘している。
この他、ロシアと中国は今、ドルの締め出しに取り組み、代替となる通貨を模索しており、そのひとつとして日本の円が検討されている。このこともまた制裁回避の理想的な場に日本を仕立てる一因となっている。
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